性悪女子のツミとバツ

楽園


自分のほんとうのツミに気づいたときから。
バツがあたえられる日を、私は心のどこかで待っていたのかもしれない。

楽園を自ら立ち去る勇気はなくて。
それでも、やがて来る“その日”を出来るだけ冷静に穏やかに迎えたくて。
私は彼の元で、ずっと飛び立つ準備をしていたのだろう。
慎重に。ゆっくりと。
決して、彼の人生に一つの濁りも残さぬように。

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