うそつきハムスターの恋人
お昼休みもほとんど休まずに、仕事に励んだおかけで、定時の六時には仕事が一区切りしていた。
「すみません、お先です」
二課の社員に声をかけて私が立ち上がると
、「用事?」と訊ねながら、喜多さんも席を立った。
毎日必ず定時にはメイク直しをすると決めている喜多さんは、今日も大きめのメイクポーチを大事そうに持っている。
「はい、今日はちょっと用事が」
ふたりで部署を出ながらこたえると、喜多さんは「さてはデートですね?」とにやりとした。
「デートじゃないです。病院の付き添いです」
「病院の付き添い! それさえもなんだかあまい響き」
喜多さんは、ほくほくと笑いながら化粧室に向かい、「水島くんによろしくねぇ」と手を振った。
階段を上りながら、ため息をつく。
喜多さんは私と夏生が本当に付き合っていると信じているし、応援までしてくれている。
もし、本当のことを知ったら、嘘をついていた私のことをどう思うだろう。
「すみません、お先です」
二課の社員に声をかけて私が立ち上がると
、「用事?」と訊ねながら、喜多さんも席を立った。
毎日必ず定時にはメイク直しをすると決めている喜多さんは、今日も大きめのメイクポーチを大事そうに持っている。
「はい、今日はちょっと用事が」
ふたりで部署を出ながらこたえると、喜多さんは「さてはデートですね?」とにやりとした。
「デートじゃないです。病院の付き添いです」
「病院の付き添い! それさえもなんだかあまい響き」
喜多さんは、ほくほくと笑いながら化粧室に向かい、「水島くんによろしくねぇ」と手を振った。
階段を上りながら、ため息をつく。
喜多さんは私と夏生が本当に付き合っていると信じているし、応援までしてくれている。
もし、本当のことを知ったら、嘘をついていた私のことをどう思うだろう。