うそつきハムスターの恋人
次の日は、残業をしようと朝から決めていた。
夏生は帰りが遅くなる。
ご飯も外で食べてくると言う。
誰かと。
そんな日に、ひとりで夏生のいない部屋にいるのは嫌だった。
夏生は今どこで誰と会っているのだろうか、と考えてしまうことは目に見えているのに、ひとりでいるのは嫌だった。
きっと悪いことばかり想像して、勝手に傷つくから。
仕事でもしていれば、気も紛れるだろう。
晩ごはんはコンビニで買ってきて、あの落ち着く休憩スペースで食べようと思っていた。
「今日は珍しく残業?」
デスクに座っている私を見て、帰り支度をしていた喜多さんが目を丸くする。
「これ、もう少しなので、終わらせちゃいます」
喜多さんはマフラーを巻くと「適当に帰りなよ。じゃあお先に」と手を振って部署を出ていった。
発注書をひとつ仕上げて、時計を見上げると、七時を少し過ぎていた。
ひとり、またひとり、社員が帰っていき、残っている社員は少なくなってきていた。
書類の隙間から覗くと加地くんの姿もない。
いつの間に帰ったんだろう。
首を回すと、ごきごきと変な音がした。
メイズのカフェラテでも飲もうと席を立った。
夏生は帰りが遅くなる。
ご飯も外で食べてくると言う。
誰かと。
そんな日に、ひとりで夏生のいない部屋にいるのは嫌だった。
夏生は今どこで誰と会っているのだろうか、と考えてしまうことは目に見えているのに、ひとりでいるのは嫌だった。
きっと悪いことばかり想像して、勝手に傷つくから。
仕事でもしていれば、気も紛れるだろう。
晩ごはんはコンビニで買ってきて、あの落ち着く休憩スペースで食べようと思っていた。
「今日は珍しく残業?」
デスクに座っている私を見て、帰り支度をしていた喜多さんが目を丸くする。
「これ、もう少しなので、終わらせちゃいます」
喜多さんはマフラーを巻くと「適当に帰りなよ。じゃあお先に」と手を振って部署を出ていった。
発注書をひとつ仕上げて、時計を見上げると、七時を少し過ぎていた。
ひとり、またひとり、社員が帰っていき、残っている社員は少なくなってきていた。
書類の隙間から覗くと加地くんの姿もない。
いつの間に帰ったんだろう。
首を回すと、ごきごきと変な音がした。
メイズのカフェラテでも飲もうと席を立った。