青い星の騎士たち
第1章 リアと愉快な仲間達
魔物学の教師、プールは黒板に描いた自分の絵の巧さに惚れ惚れしながら話を続けた。
「……というわけで、このエラサニダという魔物は、一見するとただの植物にしか見えないが、触れると途端に巨大に変身し、そして!」
くるっと振り返ったプールは「あぁ……」とがっくり肩を落とした。
教室中の生徒、誰もが自分の話なんか聞いちゃいない。
みんな、ちらちらと時計の方ばかり気にしていた。
つられて時計を見たプールは納得した。
なるほど。
あと少しで12時だ。
「ほらほら!もう少しで授業も終わるから先生の話を少しは聞けよ!」
「……………」
―――無反応。
トホホ……。
プールは声を張り上げた。
「エラサニダは巨大になったらどんな攻撃をしてくる!?」
「……………」
生徒達は教科書やノートらをバタバタと片付けだした。
「エラサニダはどんな攻撃をしてくる!?」
懲りずにプールが聞くが誰も答えようとしない。
「昼飯どうする?」
「食堂行くか?」
「学校の近くにおいしいお店ができたんだってよ」
「学割できるみたいよ!」
「マジで!?」
「行きましょ!」
「だな!」
そんなひそひそ話がプールの耳に入ってくる。
「エラサニダはどんな攻撃をしてくる!?」
声を大にして、懲りずにまた聞く。
金髪の男子生徒が、隣に座る女子生徒に声をかけた。
彼女は、さっきからつまんなさそうにあくびばかりしている。
「ね、リアちゃん。今夜食事にでも行かない?」
「あ、それいい!」
目をキラキラさせて手を打った。
「新しいレストランが時計台の近くにできたみたいでさ、実は優待券もらったんだよ」
「いや〜ん!素敵!あたしでいいの?ニック」
「もちろん。リアちゃんとじゃなきゃ嫌だよ、おれは」
「きゃは!ありがと〜!ニック!」
クネクネしながらリアは喜んだ。
「エラサニダはどんな攻撃をしてくる!?」
まだまだ懲りずにプールが聞いてきたその時。