青い星の騎士たち

 ちらっとこっちを見たリアと目が合う。

 リアは何も言わなかったが、ニヤニヤ笑いながらこちらを見ていた。


 くそ〜!


 この女、知ってやがるな!


 ただでさえ怖いジャスティンの顔が、しかめっ面になったせいでますます怖くなった。


  言うなよ、リア!


 ジャスティンの願いが通じたのか何なのか。

 リアは、

「ね、午後って何か予定入ってる?」

と、何事もなかったようにヴァレリーに話しかけた。

「わたし、魔法検定の課外授業あるのよ」
「え〜、マジで!?マジメちゃんよねぇ、ヴァレリーって」
「何かヤな言い方ねっ」

 リアは口を尖らせた。

「マニキュアでも塗りに行こうかなって思ってたのに〜」
「リア、オレは暇だよ〜。バイトも夕方からだしつきあってあげる〜」
「結構よ。あんたはあたしと街を並んで歩く権利はないんだから」
「あ、失礼発言。どうやったら権利はもらえるの?」
「一生あんたはムリよ!」

 ジャスティンは心の中で頭を抱えた。

 はぁ〜。
 まいったな…。

 そういや俺も夕方からバイトじゃねぇかよ。


 実はジャスティン、バイト先で知り合った、普通高校の女子と付き合っていたいたのだが、つい一週間ほど前、悲しいことに別れてしまっていたのだ。


「…な、何でだよ…」 

 あまりに突然の別れ話に、ジャスティンは途方に暮れた。

「だって、デートの約束してもすぐすっぽかすじゃん?」
「それは仕事だから仕方ねぇんだよ…」
「仕事とあたしとどっちが大事なの!?」
「はぁぁ!?」

 まさか、17というこの年でその台詞を言われるハメになるとは!

「ジャスティンのことは好きよ。でもあたし、つまんないし寂しいし〜。会いたい時に会えないんだもん、付き合ってる意味なくない?」
「…………」

 何も言えない…。


 だってしょうがねぇじゃんか!

 仕事をさぼるわけにはいかねぇし。


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