青い星の騎士たち

 リアたち4人は、ウエストウィングへ向った。

 廊下を挟んだ両側に、ずらっと、アルファベットと数字が書かれたドアが並んでいる。

 今までの喧騒が、嘘のようにここは静まり帰っていた。


「まさか、今すぐにでも仕事に行けって言うんじゃないでしょうね」

 ヒールをカツカツ言わせながら歩いているリアがつぶやく。

「……ま…っさかぁ」
「何よ〜、そのビミョーな言い方〜!」
「ん〜、それもあり得るかなぁって思って」
「それ困るんだよね!だって、ほら、あたし、今夜デートじゃない?」
「あぁ、ニックとね」
「そうそ!それ断りたくないんだも〜ん!やだなぁ」
「わたしは仕事やるなら今日中にさっさと行きたいけどね。その方が早く帰れるし」
「ま、そりゃぁデートの予定がないようなかわいそうな人ならいいけどさぁ」
「!!」
「あぁ、どうしよ!何とかルーン先生に頼まないとね!」

 怒りでふるふると震えているヴァレリーに気づくことなく、リアはスッタカ歩いていった…。

「リアの奴…!あのケツ、ぶっ飛ばしてやりたいわ!」

「ま、気にすんなよ。いつものことじゃねぇか」 

 その頭を、ジャスティンはぽんと叩いた。

「そうだって!例え本当にデートの予定がないようなかわいそうな人でも、気にするなって!」
「うるさい!」

 ヴァレリーは代わりにロミオのケツを蹴飛ばした。

「いって!」
「あー、すっきりした」

 ブロンドをなびかせながら、颯爽と歩いていくヴァレリー。


「……………」


 女は恐ぇな……。


 フラレたことも重なったせいか、ジャスティンは女性恐怖症になりそうな勢いだった。



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