青い星の騎士たち

 部屋は全体的に茶色で統一されていた。

 アンティーク調の机、イス、棚、そして、生える緑の観葉植物が一つ。

 壁には、ここセントマリナ周辺の地図が若干、斜めに張られてあった。

 ドアを開けた目の前の机に座っているのが、リアたちС‐15班担当の(もちろん、他にもたくさんの班を担当している)ルーンだ。

 真っ先に目に入るのは、うねる見事な金髪と、ぐわっと開かれた、ストライプシャツの胸元からのぞく見事な胸の谷間。

 その谷間の上で、キラッとゴールドのネックレスが光っている。

 タバコをもつその爪は、ラメのたっぷり入ったパープルのマニキュアで塗られていて、切れ長な目の上には、これまたパープルのアイシャドウ。

 しかしそれより何より、部屋は足の踏み場もないほど書類で埋まっていた。


「ったく、さっさと来るなら来いよ。部屋の前でべちゃべちゃしゃべってうるさいったらないね!」

 そう言って、ガラスの灰皿にタバコを押しつける。

「けむ〜い」


 鼻をつまんで手をひらひらと振るリア。

「先生、タバコの量増えてないっすか?」

 ジャスティンが聞くと、ルーンは机の後ろにある出窓をガッと開けた。

「忙しくてねぇ、ストレスたまってんだよ」

 爽やかな風が、サアッ…と入ってくる。

 部屋の中の書類がパサパサと音をたてた。

 あくびをしながら、ロミオがフムフムとうなずく。

「あぁ、先生も大変だもんね〜。色々と」
「…何がだい?ロミオくん」
 ギロッとルーンは視線を動かした。


(バカッ!) 


 ヴァレリーがロミオの尻に蹴りを入れた。

「うげっ」
「ここで働くのは大変だっていうことですよ、先生!休みもあんましないんですよね?」

 ヴァレリーが慌てそう言うと、ルーンは大きなため息をついた。




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