青い星の騎士たち
「文明の機器を使わないなんて、さすがロミオのじいちゃんね…すごいわ…」
「何感心してんのよ、バカねぇ。脳ミソまで筋肉でできてるアホなのよ!」
ルーンは、とんとんとタバコの灰をガラスの灰皿に落とした。
「ロミオのじいちゃんじゃないんだから、掘って地下に行けなんて言わないよ。タイタンが住んでると言われている、地下に行くための洞窟があるみたいなんだ」
「古そうっすね」
「あぁ、そりゃね。地震が頻繁に起こるようになった最近まで、町の奴らはすっかり忘れてたみたいだからねぇ。43年ぐらいは誰も入ってないみたいだよ」
「43年?」
4人共微妙な顔をした。
「また半端でビミョーな数字ですね」
ルーンは書類のページを繰った。
「…っとだなぁ、43年前に、魔物専門の医者がタイタンの様子を診に行ったっつう文献があったんだとさ」
「一人でですか?」
「や、ちがう。オレンジスター校の奴らと」
「じゃぁ何かそこの洞窟のマップとか残ってないんですか?古くてもいいから、ないよりは全然マシだし」
「だよな!前のマップがありゃ危険も減るじゃねぇっすか」
ルーンは、かなり大きなため息をついてイスにふんぞり返った。
足を組んでタバコを口にくわえ、腕組みしているその姿は、まるで女番長のようだ。
「さすが元レディース〜」
ロミオはピュ〜っと口笛を吹いた。
「貫禄ある〜」
「ヤンキー座りして〜」
「竹刀もって〜」
「喧嘩上等〜」
「やだ、やば〜ん」
「やば〜ん」
自分の口真似をしたロミオの尻に、リアはヒールで蹴りを入れた。
二人の言うとおり、ルーンは元レディースだ。
といっても誰も驚かないし、むしろ納得するのだが。