青い星の騎士たち
「そんな化粧する必要ないだろう。お前ぐらいの若さなら」
「まぁね。さらにかわいくしてたいから化粧すんのよ」
リアはポーチや教科書やらを次々とバッグにしまっていった。
大好きなベビーピンク色をしたボストンバッグで、若者の間で有名な、『アシュリー・クレア』というブランドのバッグだ。
「でも先生、あたしすっぴんもかわいいのよ」
パチッとウィンクする。
「真のかわいい人はすっぴんもかわいいの」
「ほぉ…なるほどな。一理ある!」
カツカツとヒールを響かせながら教室を出ようとしたリアに、プールはあっ!と声をかけた。
「何よ!あたしお腹すいてんだけど」
しかめっ面のリアにはお構いなく、プールはうれしそうにカタログを見せてきた。
そこには、気持ち悪い魔物の絵が何やら描かれてある。
「これを見てくれ!この魔物、マンイータープラス5というんだが、これのフィギュアが来月発売されるんだ!」
「…………」
だから何だ、というような顔でリアはプールを見た。
「買ってもいいと思うか!?」
「…………」
リアの冷たい視線なんかお構いなしだ。
「………買えば?」
「だけどさぁ、何と5万フランもするんだよ!高いよなぁ!そう思わないか?」
「……ローンにすれば?」
「おっ!そうか!その手があったな!」
一人でワクワクしているプールを教室に残し、リアはさっさと食堂へ向かった。