青い星の騎士たち
実は、去年もリアはレベルのせいで進級できるかどうかの瀬戸際にいたのだが、学年主任のリチャード先生(30代、独身。リアのファンの一人)に色仕掛けを使い、見事!進級することができたのだ。
「今度は学年主任はシェリー先生だからねぇ、女に色仕掛けは使えないよねぇ」
頬をふくらませてそっぽを向く、そのリアの肩を叩いたのはロミオ。
「ま、がんばんなよ、リア!」
「馴れ馴れしく触んないでよ!」
「またまた〜。ね、先生、オレすごくない?誉めて誉めて!」
ルーンはヒュ〜ッと口笛を吹いた。
「確かに!レベル16!こりゃすごいわ」
帽子をとり、ルーンに頭を突き出す。
その頭を、彼女は乱暴にぐりぐりとなでた。
「サンキュー」
「さすが体力バカというか何というか。これで頭もよかったらねぇ、最高なのに」
「先生、そこは触れちゃダメだよ」
「勉強はヴァレリーにでも教えてもらったらいいだろ」
ヴァレリーは速攻首を振った。
「嫌です。きっぱり言いますが絶対嫌です!」
「ヴァレリー、教え方下手っぴだからね」
「あんたの頭がバカすぎるのよ!」
「そう言うヴァレリーは…っと…」
書類をめくる。
「ほぉ。レベル13ね。ま、順調順調。次の魔法検定受けるんだろ?」
「はい。火と氷の魔法の、2級受けるんです」
「魔法のことはよくわかんないけど、2級っつうんだから何かすごそうだね」
ヴァレリーはずっこけた。
「すごいに決まってるじゃないですか〜!」
「やっだぁ。自分で言っちゃってるし」
「い、いいじゃないの別に!」
「ほら、ヴァレリーも頭なでてもらいなよ〜」
「イヤよ!髪が乱れるわ!」
「ヴァレリー、あんたはこの班で唯一まともに魔法が使えんだからさ、2級でも3級でもいいからとにかくがんばんなよ」
何だか腑に落ちないが、ヴァレリーは渋々うなずいた。