青い星の騎士たち

 明るい茶色のふわふわした髪、前髪からのぞく、深い緑色をした大きな目。

 その目を縁取る睫毛はながくふさふさとしている。

 背はさほど高くないが、手足は細く長く、出る所は出て、引っ込む所は引っ込むという理想の体型。


 ナイト養成学校アミュレット・オレンジスター校のアイドル…いや、学校のある港町、セントマリナのアイドルであるリアは、ファンクラブもあるぐらいの人気者だった。

 今日は、超ミニ丈の淡いグレーをしたニットのワンピースを着ている。

 フリルが裾からチラ見えしているのがかわいいこのワンピースは、タウン誌の表紙モデルをした際に頂いた服だ。


 そう、彼女はそんな表紙モデルの仕事もたまにしているのだ。


「リアちゃ〜ん!」

 廊下を歩くだけで、手を振ってくる男子生徒がたくさんいる。

 そんな彼らに向けて、にっこりとリアは笑顔を返した。

「リアちゃん!タウン誌見たよ!」
「これだろ?これ!」

 そう言って、セントマリナのタウン誌『マリナライフ』をリアに差し出した。

「や〜ん!そうそう!これこれこれ!」

 そこには、セントマリナのキャラクターである、水兵の格好をしたクマのぬいぐるみ、マリオくんを抱いたリアが映っていた。

 淡い水色をしたビキニを着ている。

「相変わらずかわいいよね〜、リアちゃんは」
「いや〜ん!ありがとっ!ちょっとあたし太っちゃって〜、心配だったんだぁ〜」
「全然!そんなことないよ!」
「細くてグラマーだし」
「変わってないよ!」

 リアはくねくねしながら喜んだ。

「や〜ん!ありがとっ!みんな!リアうれしい〜!」


 きゃっきゃっと喜ぶリアだったが、廊下にいた女子生徒達の視線は冷ややかだ。

「何よあれ!」
「ぶりっこしちゃってさ」
「やぁよねぇ」

 そういう彼女たちの手にも、『マリナライフ』が握られている。

「…まぁ、確かにかわいいけど」
「ちょっとあんた!何言ってんのよ!もう!」


 リアは男子たちに「バイバ〜イ」と手を振り、ニコニコ笑顔で歩き出した。

 が、文句を言ってた女子たちの近くに来ると、あっという間に笑顔が消えた。

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