青い星の騎士たち

 まぁ、仕事に行く準備をするたび毎回こうなのだが。

「あ〜、何もってこ!?」

 たくさんの服をベッドに投げ出し、その上にあぐらをかいて座る。

 さっきまで着ていた、グレーのニットのワンピースを脱ぎ捨て、下着姿。

 モンスターと戦ったりするのだから、お気に入りのかわいい服なんか着ていけるわけがない。

 セントマリナより寒いんだっけ?
 じゃぁ、これにしよっかな…。
 
 モコモコ素材の、黒いパーカーを手に取る。

「うん、よし」

 淡いエナメルピンクのバッグの上に放り投げる。

 何日分ぐらい服いるかしら? 

 ボトムはとりあえず一個でいいわよね…。

 裾にフリルが付いた、淡いグレーのミニスカートをじっと見て、それをもそもそと履く。

 上は何着よ…?


 その時、トントン、とドアの叩く音がした。

「リア〜?」
「あ、ヴァレリー!入っていいよ〜!」

 中へ入ったヴァレリーは、リアが上半身下着なことに一瞬たじろいた。

「何よ?」
「べ、別に…」

 自分の胸をちらりと見る。


 い、いいのよ!

 人は人だもんね!


「えぇ〜!ちょっと〜、ヴァレリーもパーカーなの〜!?」 
「えっ?」

 手に持ってたパーカーを見る。

「そうだけど…。ダメなの?」

 リアは黙って自分の黒いモコモコのパーカーを指差した。

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