青い星の騎士たち

「…かぶっちゃったね」
「そうよ!ったくもう、変なとこで気が合うんだからぁ〜」

 変なとこってどういうとこよ!

 と言ってやろうかと思ったが、部屋の時計が(もちろんリアの部屋の時計なので、ラインストーンや何やらでキラキラと無駄に派手になっている)もう2時40分をさしているのに気づくと、

「ま、いいじゃない!わたしのはグレーなんだしさ!」

と、しまおうとしたリアのその手を無理やり止めた。

「何でヴァレリーと軽くおそろいなのよぉ」
「…き、気にしない気にしない!早く上、着なさいよ!どれにするの?」
「んっと〜、パーカーが黒でスカートがカーキだからぁ、何か色もってきたいなぁって思って〜」 

 この急がなきゃなんない時に何ほざいてるんだ!

 ヴァレリーの心の中のイライラ度が急上昇する。

「これ、これにしたら?ほら、ピンク!」

 淡いピンクにラメの入ったシンプルなカットソーを突き出す。

「これ〜?」
「そう!ほら早く着なさいよ!」
「きゃっ!ちょっと…!」

 無理やりリアに着させる。

「で、あとはこれね!」 
 その辺にあった、カフェオレみたいな黒と茶のボーダーカットソーをバッグにつめる。

「あとは…っと」

 化粧ポーチを放り入れた。

「さ、ほら行くよ!」
「ちょっと待ってよ〜!」
 片手に自分とリアの荷物、もう片方はリアの手を握ると、ヴァレリーは急いで部屋から出ようとした。

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