青い星の騎士たち
「なぁ、これあるからってモンスター辞典持ってきてないってことねぇよな?」
ヴァレリーはサッとバックから分厚い教科書を出した。
「ぬかりなしよ」
「さっすが〜!ヴァレリーさん!」
「頭いいなお前!オレ思いつきもしなかったぞ」
「そりゃぁロミオは思いつかないわよね」
「マジメっ子ヴァレリー!」
嫌味ったらしく言ってくるリアは無視。
厚さ3センチぐらいの教科書で、1ページにモンスターの絵と弱点なんかが細かくびっしり書かれてある、仕事中の必須アイテムだ。
モンスター辞書というのが別にあり、こちらはかなりの厚さがある分、ほとんどのモンスターについての細かい情報が詳しく書かれてある。
「あ〜、オレ頭痛くなってきた」
早速ロミオは書類を見ることを放棄した。
「おめぇ、まだ5分もたってねぇじゃんか」
「そーか?もう1時間たった気がしたけど。字は子守歌だな!おっ、格言!」
「くだらないわ…」
すると、リアがキラキラの鏡をロミオに突き出した。
「ちょっと、暇なら持ってなさいよ」
「何をだ?」
「鏡よ!目の前にあるじゃない!バカ!」
「バカとはなんだこんちくしょー。固有名詞を言え!しかも悪趣味な鏡だなぁぁ」
「あんたに言われたくないわよ!」
文句を言いつつも、ロミオは彼にとっては悪趣味な鏡を手に持った。
そしてそれを見ながらリアは長い髪の毛を整える。
窓から射し込む日の光で、リアの髪はキラキラと鏡のように光っていた。