青い星の騎士たち

「で?誰から行くよ?」

 他3人はお互い顔を見合わすと、無言で目の前の金髪男を見つめた。

「………」
「………」
「………」

 ジャスティンも、3人が意図するその無言の視線を気づかぬフリして、じっと見返す。

 沈黙して30秒。

「気づきなさいよバカ!」

 リアが口を開いた。

「バカとは何だ!」
「バカだからバカっつってんだっ!」
「おめぇに言われたくねぇよ!」
「わたしたちの心中わかったでしょ?早く、先に降りてよ」

 ジャスティンは顔をしかめて大げさにため息をついた。

「ったくそれが人にモノを頼む態度かよ!」

 ジャスティン以外の3人は目と目で会話をすると、揃って頭を下げた。

「お願いします。ジャスティン様」

「ったくよぉ……」 

 ボリボリ頭をかきながら、地割れを見下ろす。

 ロープの先はかろうじて見えるが、とりあえず今の所、下に何かはなさそうだ。

 ぐずぐずしてらんねぇな……。

 ジャスティンは地割れの縁に手をかけると、「よっ」と体をその中へ落とした。

 ゴツゴツした壁に足をかけ、両手でロープを握る。

「何で嫌なことは俺からなんだよ…」
「それがお前の運命だ!なっ、ジャスティン」
「けっ」 

 嫌な運命だぜ。

 何だかんだ文句を言いつつも、ジャスティンはいつもこの嫌な運命を受け入れていた。

 というか、受け入れざるを得ないというか。





< 53 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop