青い星の騎士たち
一歩町から出ると魔物がウヨウヨしているこの世界―――。
そんな魔物から人々を守っているのが、ナイトと呼ばれている軍人たちだった。
そのナイトたちを、文武両道に育てているのが、ナイト養成学校アミュレット。
それは、それぞれ、レッドスター校、ブルースター校、グリーンスター校、オレンジスター校、などと各地に点在していた。
初等科、中等科、高等科まであり、高等科に入ると班わけされて、一般市民からの魔物がらみの厄介ごとを解決するため派遣されるようになるのだ。
それらは仕事、任務と呼ばれ、ほぼ無償で行っている。
オレンジスター校は、港町セントマリナのほぼ中央、坂の上にあった。
アミュレットの中でもかなり規律が緩いことで知られているオレンジスター校では、制服はあるものの、着用を義務づけられてはいない。
なので、式典以外ではほとんどの生徒が私服を着ていることが多かった。
が、風紀委員では、今制服着用を義務づけようと署名活動をしている。
それというのも……。
「ちょっと、リア!」
制服をビシッと着ている、風紀委員長のサルビアがリアの前へやってきた。
後ろには、彼女の連れの者(つまり風紀委員)が3人ほどついている。
ちなみに、彼らは全員眼鏡をしていることから、陰でメガネズと呼ばれていたりした。
「んも〜!何よぉ!めんどくさいわねえ、ったく!」
かったるそうにリアはため息をついた。