青い星の騎士たち
出入口の先は、円形状の広場になっていた。
ベンチがいくつかあるが、寒いので座っている人は誰もいない。
みんな、急ぎ足で過ぎていく。
「先に飯食うか?」
「う〜ん、それより先に町長さんとこに行った方よくなくない?」
「えーーっ!!オレ腹減ったぁぁぁ」
「そうだけどさぁ…うん、わかっちゃいるけど…。でもね…」
「わかってんなら飯に決まってるだろ!ヴァレリー頭悪いな!」
「あんたに言われたくないわよ!」
「ま、そうだな。先に町長んとこ行こうぜ。案外飯食わせてもらえるかもしんねぇし…っておいこらリア!どこに行く!」
リアが「きゃぁ〜!」と黄色い叫びを上げながら、広場のすぐ近くにある酒場に走っていく。
「リアちゃんだ!」
「マジかわいい!」
「すっげぇ本物!?」
酒場のイケメン店員や、店に入ろうとしている客たちが一斉にどよめく。
「おいリア!」
ジャスティンは、リアのパーカーのフードをひっつかんだ。
「んぐっ。ちょっと何すんのよバカ!」
「うっせぇな!おめぇにいちいち時間かけてらんねぇんだよ!」
リアはハッとしてジャスティンを見た。
「あんたもしかして妬いてんの?」
「あ゙!?妬いてねぇーよバカ!!」
「バカとは何よ!」
ジャスティンのケツに蹴りを入れる。
「いってぇ!」
「またね〜」
笑顔で手を振り、リアはヴァレリーの所にやってきた。
「さっさと行きましょ。その町長ってゆうオッサンのとこに」
「そうね」
女二人がさっさと歩き始める。
「…痔になりそうだ……」
痛がるジャスティンの背中を、ロミオがなぜかワケアリ顔で軽く叩いてきた。
「ジャスティン。あきらめろ、リアは」
「あ゙?何言ってんだよ!誤解すんなこのヤロー!」
「このヤローとは何だ!このヤローと言う奴がこのヤローなんだ!彼女いるくせに、冗談通じないなっ!」
「……」
頭を振りながらロミオの肩を抱く。
「…行こうぜ」
街灯の光が、二人をやわらかく包み込む。
「なぁ、ロミオ」
「何だ?コクるのか?オレに」
「……ま、まぁある意味そうか。実はさぁぁ……」