青い星の騎士たち

 シオリがはさんであるページを開く。

「あっ…!これって…?」 

 そう。
 そこには、町の真ん中に立って何か作業をしているような、巨人の白黒の絵が載っていた。

「ずいぶん成長した人間がいるんだな!」
「もう。これが巨人よ、タイタン!」

 ゴディバーは絵の下にある文章をなぞっていった。

「ここに書いてある文によりますと…」

 あまりに細かい字なので、活字慣れしてないヴァレリー以外の3人は読む気にもならなかった。

「…魔物に壊された家を直しているところだそうです」
「へぇ〜。いい奴じゃん?」
「リアよりいい奴だな」

 すかさず蹴られたロミオにジャスティンはささやいた。

「おめぇは一言多い」
「オレは素直なんだっ」

 涙目になっている。

「これは今から百年ぐらい前の話です。そして、こっちのページに書かれてあるのが…」

 ゴディバーは、もう一枚はさんであるシオリのページを開いた。

「こちらが、43年前にタイタンを診たという魔物専門の医者の記述が載ってるページです」

 そのページは、一面字でびっしり埋まっていた。

 残念ながら絵はない。

「うぉぉつ、絵がねぇ……」

 ロミオは早くもカクンと首を落とし寝始めた。

「あぁやだ、頭痛いんだけど」

 リアも嫌そうに目をそらす。

「この辺りに書かれてあります」

 ゴディバーが指差した所には、確かに、今から43年前、具合を悪くしたタイタンを、魔物専門の医者が診察したということが書かれてあった。

「よく見つけましたね〜」
「こんな分厚くて、しかも細い字でよぉ」

 ゴディバーも苦笑いした。

「だから今まで誰も読もうとはしなかったんですよ。見つけたのは町長です。町長が地震の原因を見つけるために必死になって読んだんですよ」




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