青い星の騎士たち
1分おきに、リアの「眠い」「風強い」「だるい」「歩きにくい」「ウザイ」「疲れた」という文句を聞きながら、木のバツ印や他に目印になるものを頼りに、1時間ぐらいで問題の洞窟に着いた。
「ギザギザの岩の隣に洞窟がある…」
「これか」
ちょっとした傾斜面に、人一人が入れるぐらいの穴がぽっかり口を開けていた。
きっと最初は草や蔦なんかで覆われていたのだろう。
払ったような痕跡があった。
「あ〜あ。見つけちゃった」
「リア、見つけちゃよくないみたいな言い方ね、それ」
「だって、中、入んなきゃならなくなるじゃん?」
ていうか。
それがわたしらの仕事なんですが…。
しかし何でまたリアみたいな人がアミュレットに入学したんだか…。
ヴァレリーは慌てて首を振った。
ダメダメ!
考えても埒あかないようなことは考えちゃダメよ!わたし!
そんなことを考えてるヴァレリーの横で、ジャスティンは腰に下げてた雷虫灯で中を照らした。
「よく見えねぇなぁ」
奥行きはありそうだが…。
とその時、ジャスティンは嫌な予感がして急いで後ろを振り返った。
雷虫灯で、顎の下から顔を照らしながら。
「ぎゃー!お化け!」
ちょうど後ろにいたロミオが叫ぶ。
「うるせぇ!おめぇ今俺を押そうとしただろ!」
「やだなぁ、何言ってんのジャスちゃん」
「いや俺は見た!振り返った瞬間、おめぇが俺の背中に手を伸ばしたところを!」
「だって、押したくなるじゃ〜ん」
「ふざけんな!わけわかんねぇトコに落ちて死んだらそれこそお化けになっておめぇの前に出てやっぞ!」
「ぎゃー!それは勘弁〜!なむなむだぶつ〜」
「…分かったから抱きつくな……」
男二人は、並んで中を覗きこんだ。