青い星の騎士たち
坂の上にあるオレンジスター校は、5階建ての建物からなっていた。
その周りに、イーストウィング、ウエストウィング、サウスウィング、ノースウィングと呼ばれる塔のような建物が、渡り廊下でつながっていた。
北にはさらに、体育館やグラウンド、寮などがある。
食堂は、ウエストウィング側にあった。
出入口の真っ正面が、床まである全面ガラス戸になっている。
そこは常に開け放たれているため、非常に解放感のある広々とした食堂になっていた。
ガラス戸の先は芝生の生えている庭になっていて、ちょうど太陽が沈む景色が見えるため、ちょっとしたデートスポットになっていた。
白で統一されたテーブルとイス。
赤と白のギンガムチェックのテーブルクロスが、入ってくる風でひらひら動いている。
そんな食堂のほぼ真ん中。
天窓の真下の席。
そこは、リア専用の席になっていた。
だからといって、座っちゃいけないというわけではないが、みんな何となくその席は避けて座っていた。
その席で、突っ伏して寝ている男子が一人。
白地に黒の斑点の、ダルメシアン柄の帽子をかぶっている黒髪で、白のだぼっとしたシャツに同じくだぼっとしたジーンズをはいている。
彼の目の前には、美味しそうなお昼ご飯が並んでいる。
リアはツカツカと近づいていくと、その男子の頭にわざとバッグの角をぶつけだ。
「うぉっ!」
ガバッと男子が跳ね起きる。
「何だリア〜!痛いじゃないかこのヤロー」
頭をおさえ、恨めしそうにリアを見る。
「ごっめーん。ぶつかっちゃった〜?」
全く悪びれずに言うと、リアはイスに座ってその長い足を組んだ。