青い星の騎士たち

 坂の上にあるオレンジスター校は、5階建ての建物からなっていた。

 その周りに、イーストウィング、ウエストウィング、サウスウィング、ノースウィングと呼ばれる塔のような建物が、渡り廊下でつながっていた。

 北にはさらに、体育館やグラウンド、寮などがある。


 食堂は、ウエストウィング側にあった。

 出入口の真っ正面が、床まである全面ガラス戸になっている。
 そこは常に開け放たれているため、非常に解放感のある広々とした食堂になっていた。

 ガラス戸の先は芝生の生えている庭になっていて、ちょうど太陽が沈む景色が見えるため、ちょっとしたデートスポットになっていた。

 白で統一されたテーブルとイス。
 赤と白のギンガムチェックのテーブルクロスが、入ってくる風でひらひら動いている。


 そんな食堂のほぼ真ん中。
 天窓の真下の席。


 そこは、リア専用の席になっていた。

 だからといって、座っちゃいけないというわけではないが、みんな何となくその席は避けて座っていた。

 その席で、突っ伏して寝ている男子が一人。

 白地に黒の斑点の、ダルメシアン柄の帽子をかぶっている黒髪で、白のだぼっとしたシャツに同じくだぼっとしたジーンズをはいている。

 彼の目の前には、美味しそうなお昼ご飯が並んでいる。
 リアはツカツカと近づいていくと、その男子の頭にわざとバッグの角をぶつけだ。

「うぉっ!」

 ガバッと男子が跳ね起きる。

「何だリア〜!痛いじゃないかこのヤロー」

 頭をおさえ、恨めしそうにリアを見る。

「ごっめーん。ぶつかっちゃった〜?」

 全く悪びれずに言うと、リアはイスに座ってその長い足を組んだ。


< 8 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop