青い星の騎士たち
「ねぇ、ロミオ〜。モテる女は辛いわよねぇ〜。ここに来るまでに、たくさんの女たちにひがまれちゃって、もう大変!」
と言いつつ、鏡を出して顔チェック。
「じゃぁモテんのやめたらいいじゃん?」
「はぁ?それって、あたしに死ねって言ってるようなものなんですけど」
「じゃ、そうしたら?」
リアは無言でロミオの向こうずねに蹴りを入れた。
「いって〜!!」
「お前こそ死ね!」
「何だとぉ!?そんなこと言うとなぁ、お前の昼飯食っちゃうからな!」
ロミオはテーブルの上のパスタの皿を、自分の方にグッと引き寄せた。
「ちょっと!それあたしのじゃん!」
「そうだよ〜?でも長蛇の列に並んで持ってきたのは、このオレ」
そう言って自分を指差す。
「それを承知したのはあんたでしょ!」
「じゃぁ礼ぐらい言って〜」
「何であたしがあんたなんかに礼を言わなきゃなんないのよ!いつものことじゃない!」
「…あぁ、そっか」
「そうよ!そうなのよ!」
などと騒いでいる所へ、
「おめぇらうっせーぞ」
金髪をツンツン立てた、眉毛の薄い恐面の男子が二人に近づいてきた。
ロミオ以上にだぼっとしたジーンズにΤシャツ姿。
「何だ、ジャスティン」
「ジャスちゃん、相変わらず怖い顔してるね〜」
「ほんとほんと」
「……関係ねぇじゃん」
ジャスティンは、コーラを片手に近くの席に腰を下ろした。
「あんたご飯もう食べたの?」
「おう、さっきな」
「あ、そ」
「いいなぁ、ジャスティン」
「いいなっつーかおめぇもさっき俺と一緒に飯食ったじゃねぇか…」
あきれ顔でジャスティンが言う。
「いやぁ、そろそろ第2段階の昼飯をだな、食う頃かなぁ〜って」
「どんだけ食うんだ…」
海の幸を贅沢に使ったシーフードパスタを食べるリアを、ロミオはじっと見ている。
まるで、ご飯を目の前にして『待て』をされてる、犬のようだ。
「ちょっと〜、あたしがそんなにかわいいからって見ないでよね!」
「いや全くそうじゃない」
「…じゃぁ見んじゃないわよ!」
ジャスティンは笑って言った。