青い星の騎士たち
第6章 悩める巨人
しょうもない会話をしながら、一時間は歩いた。
それなのに、4人の目の前に現われたのは、ぽっかり口を開けた底なしの(ように見える)穴であった。
縦横3メートルぐらいだろうか。
「さんざん歩いてこれ〜?超最悪なんですけど〜」
早速文句を言ったリアは、言うだけ言うとその場に座りこんだ。
その隣にしゃがんだロミオが、その辺に落ちてた小石をポイッと投げる。
そして耳に手を当てた。
「バカね〜。何も聞こえるわけないじゃん!」
「やっぱり?いてっとかって聞こえたらおもしろいと思って」
「てゆうか聞こえたら怖いんだけど」
ジャスティンが壁に寄っかかり、向こう岸を眺めた。
「ジャンプして行けなくもねぇけどな〜」
ヴァレリーがぶるぶると首を振る。
「やめてやめて!わたし、絶対ムリ!!命かけるけど絶対ムリ!!」
「いや別に命かけなくても……」
「ね?リア!ムリよね?」
リアがかったるそうにヴァレリーを見上げる。
「あったり前じゃ〜ん」
「ロミオ、おめぇ行けっか?」
ロミオはしゃがんだままジャスティンを振り返った。
「行ける」
ニヤッと笑う。
「え〜!やめた方よくない?だって危ないわよ!」
「走り幅跳びと一緒じゃ〜ん」
腕をぶるんぶるん回し、屈伸運動を始める。
「そりゃ走り幅跳びと同じだけどね、でも下は底なしなのよ〜!?」
「やりがいがあるではないか!」
「………何てポジティブなの……」
リアがケラケラ笑いながら言った。
「もし落ちたら毎年お花供えにここに来るわ」
「おう!サンキュー!お前いい奴だな!」
「いや決していい奴では……まぁさ」
ジャスティンは心配そうな顔のヴァレリーを見た。