夜闇に咲く
………姫様かわいかったなぁ、またあえたらいいな、その前に現状把握が必須だけど……

むしろ姫様に家くださいって……

あ、はい嘘ですよぉ……やだなぁあ……


でも、これからどうするよ笑



歩いていると、町中に入ったのがわかった
人通りが多くなったし、衛生面で少しだけど綺麗になったのを感じたからだ


「キャーッ!!だれか!誰かーっ!!!」

貧困層を抜けたと思えばすぐこれか!

もうっ!!治安の悪さも限度があるでしょ!!!



「まて!」
「ッチなんだよ、坊主、」



…ピキッ



振り向きざまに行ってきたその単語に
僕のこめかみに青筋が入る




小僧の次は坊主……あはは、みんなして……


「………殺す」

もうおこだぞ★

「っふっ、やれるもんならやって…グオフッ」


余裕ぶって刀を抜いたそいつの足を竹刀の先で払った


「はっ、楽勝じゃん」



これ、流派を使ってすらない、刀を抜くまで待ってやってんのに、はぁ、



「……!」
「おらぁっ!」


「くそっ!」

さっき襲われてた女の人がこちらへ突き飛ばされる、思わず受け止めるとそのすきを狙ってか切っ先が飛んできた

誰だ、と思って顔を見た。それは

「…さっき…の…」

「へっ…竹は鉄にはかなわねぇってなぁぁぁ!!」


悪党は刀で僕の竹刀に一層力をかけた、受け止めて、気づくと僕の竹刀はミシミシと音を立てておれていっていた。



「……うっ!」




なにをやっていても、女の力じゃ男にはかなわない、
そう、力だと。
「なに!?」

腰を据える。


──月波剣


こちらに振り下ろされる相手の刀を受け流し、
静かに、上体を前に倒しながら先ほど倒した男持っていた刀をとる。



伸びている男をよける。


だが、その時だった

「うぅらぁぁぁ!!」
「!!」

突進してきたほかの下っ端が男を斬ったのだ
男の着物には赤い血がべったりとつき、日和の目の前で赤いものが散った

仲間…を…斬った?




「……お前、仲間を……仲間を斬ったのか!?何故……まて!誰か医者を!!このままでは死んでしまう!!」


周りには興味深そうに集まっている野次馬だらけなのに、誰も名乗りでなかった、なぜ、


「よそ見してんなよ!!」


後ろから切りかかってくる、
その刃を受け流しながら聞いた

「仲間を捨てるのか!?」
「けっ…んーなやつ、どうでもいいんだよ。」





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