夜闇に咲く
by土方歳三

いま、コイツ、何つった、捨てないで、下さい…?

「ここは、新撰組だ」

それを聞いてひときわ大きく息を吸ったのが見えた

だが俺は、今そういってやることが一番大切だと思った。

ゆっくりと布団から顔を上げたそいつは涙で顔を悲惨な状態にしていたが、そのまま手の枷を見てまた呼吸を荒くし始めた

「手、無理なのか」

声が出ないのか、そいつは首を縦に振ってきた




こりゃあ、相当なやつを連れてきたみたいだな……

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