夜闇に咲く
これで……いいんだ、人に言ってかりそめの涙をもらうより、誤解されて突き放されたほうがよっぽどマシだ、持っていたものを手放すつらさを、もう味わいたくない。


タイムスリップなんてしちゃって、憧れの新撰組に会えたと思ったらこんな事になるなんて

ふすまを開ける。もうこの人たちと会うこともないんだろうな。そんなことを考えながら、





スッ───ドン!




「ぐぅっ………鼻、鼻ぁっ!」





鼻もげる、もげるよ!

壁が!!!ふすま開けたら壁が!!!!

「すまないっ!怪我はないか??」
「こっ!近藤さん!離れてください!ソイツは間者ですよっ!?」「総司!!……近藤さん、大丈夫だ。」





怪我はないかだって?

ふざけんな、物理的にも精神的にももげたわ


あ?なにが?しらん。
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