夜闇に咲く
「あぁ、名乗っていなかったか、俺は斎藤一だ。」



「いえいえ!僕も間者だーなんだ、って言われていた身ですから!!」



今もかな!?(泣)




















「あ、じゃじゃあ行きましょうか!!」

「まて、太刀川殿」「日和でいいです」「あ、あぁでは日和殿、刀を持っていなかっただろう?竹刀しか持っていなかったようだ、隠れてい…」「殿はやめてください、日和です。あと先日は竹刀しか出せませんでしたが、今はきちんと短刀を持っていますから。斎藤さん1人に任せるなんて申し訳なくてできません」

なぜそんな事を……と思った矢先、おびき出そうとしていた目論見が叶ったのはいいが気づくのに遅れて少し手間取ってしまう

狙っている敵が目の前で仲良くおしゃべりしてたらそりゃあ襲い掛かるよね



「斎藤さんっ!!」



幸い胸元から出していた短刀を鞘から出して斬りかかってきていた相手の刀をぎりぎり受け流す。




「日和殿っ!!!」「日和で、すっ!」

斎藤さんがあくまでも殺りやすいように相手に隙を作る。





短刀……護り刀のこの子では敵を撃退できないだろうから。









僕が斎藤さんの不利な面からくる敵の相手をして、一人が片付いたら斬ってもらう。そのくりかえしだった、

「ぅおおおおおお!!!」







最後の一人

「っはぁ、はぁ、すい、ませ……斎藤さんにだけ斬らせて……」
「謝らなくていい。日和、あと、俺のことも、一で、いい…」





そういって顔をそむける斎藤さんは、心なしか顔が赤くて、

「はじめ……、顔赤いよ?やっぱずっと切らせちゃったから息上がっちゃったかな、ごめん」

「……、う、あ、ぁあ、まぁ、う……」

心配したのに一はなぜか複雑な顔をして肩を落としていた
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