夜闇に咲く
「日和?」



「…いいよ。いこ、はやく…」




一はぽかんとしたようなかお(といってもほぼ無表情だが。)をしてこちらを見つめてくる。

「……何処に、屯所へ、か?別に無理をしなくても──」
「いいってば」


一は驚いたような戸惑っているような顔をしている。

「いく、ぞ。」













一の着物の裾を引っ張る。一は少し固まって悩むような顔をしてから顔を真っ赤にして俯いた。












「風邪っ!?まって、早く行こっ!?」






ってかやっぱりさっきの後遺症かな!?






はじめを引っ張りながら屯所があると思われるところに行く。






「っわ!」



急に一が立ち止まった。


「まて、」「なに?」



もしや歩きたくも無いくらいひどいのだろうか、と思って顔を覗くと

「こっちじゃない。」




シーン





「っ!し、しょーがないでしょ!?は、初めてなんだからっ!」






そう言うと一は笑ってこっちだ、といって歩き始めた。




「どうした、早く行くぞ。迷子になられては困るからな。」


迷子になんてならないしっと言おうとしたその時

振り返った一はさりげなく日和の右手をとった

「っ!!!?」





手!え!?て!つな、つないでるっ!?





今度は僕が赤くなる番だった。














男の人にこうやって手を握られたことなんてないし。



ましてや、先ほどあったばかりの人と!!いや、名前は呼び捨ての仲だけど!
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