夜闇に咲く
空気が澄んでいる。
目を開いて第一に思ったことはそれだった
今の時代の汚れていない、あえていえば田舎の森の奥。
そこらにはない空気だ。
「…うぬぅ…空気がきれいだなぁ…」
何やら騒がしいし…
そりゃそうか人が倒れてんだから…っては!?僕死んだ!?
え!?だってだって、空気がきれいだし、きれいだし、きれいだし、きれいだし、…え、きれ…い…
大きく深呼吸して自分の体を触ってみるけど、どこもいたくなかった。
あんな高いところから石段を転げ落ちただなんてまるで信じられなかった。
「あの、どうすんすか、この小僧」
「あ?この際男だろうが女だろうが、どっちでもいいんだよ」
「え…い、いや、ハイ、俺男は…あ、でもコイツ顔いいし…あ、何でもないっす」
「身ぐるみはくぞ、かかれ」
「……御意」
木の根元に寄り掛かるようにして座っていた日和の目の前にはいかにも
あ!おっす!おっす!悪者っすども!
みたいな男たちが見下ろしていた
……なんなんだこいつら。
人を物みたいに……
しっかーし、いつまでも静かに襲われるのを黙ってみてるわけがない!
この僕が!
さて、じゃあ反撃開始としますか