夜闇に咲く
……
……わ
……た……
「たぁぁぁあちいいいいかぁぁぁぁわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
「!?!?!?!?」
ガバッ
「な、な、な、ななな、なん、なに、」
「さっさと起きろおおおおおおおお!!!!!!」
「……いただきます」
いま僕の頭の上にはたんこぶが一つ。
いったいんですけど。
速攻でご飯を食べ終わって総司の襟首をつかむ
「はやく」
「んぶっ!?え、いや、じょっどま……っぶっ!」
味噌汁を喉に詰まらせている総司を急かして屯所をでた
「はぁーーー、疲れた」
「君のせいで僕死にかけたんだけど!!」
いや、僕のが死にかけたよ、これから毎朝こんなのが続くなんて……
着るものは全て平助に借りている。
総司のだと少しぶかぶかだったのだ、
「ちっちゃいんだねぇ、可哀想に」
と薄笑いを浮かべてきたけど僕は女の子なので少しも痛くもかゆくもなかった。
そして今朝……正直袴から流しの着物に着替えるのは楽だ。だけどそれから上下分かれているものに着替えるとなると難航する
昨日の夜、きちんと平助に先に借りておけばよかったんだ……!!
総司の着替えを見てしまった……
あぁぁっ、僕はまだ純白なのに!!!
厠へ行ってくる、と言って着替えることには成功した。
そしてそんなことが朝からあったせいで僕は出かける前からクタクタなのだ。
すごい顔して怒ってくる総司を見ても何かを言う元気もなく歩き続けた
「で、今日は刀を新調しに行くんだっけ?」
「うん、おじさんから貰った短刀を打刀にしてもらうんだ」
新しく刀を買うんじゃなくて、僕の護り刀を打刀にしてもらったほうがいいかなって思って
それはそうと僕が一番気になっているのはこの短刀に血がついていなかったことだ
昨日のアレの血がもしサラサラだったとしても血脂は絶対に残る。
いくら血をはらったとしても鞘にすら付いていないのはおかしい。
「ねえ、もう着くよ」
「あ、あぁ、うん、……そうだ、総司は刀の手入れとか、してもらうの?」
不意にそう聞くと首を横に振った
「……まだ」
「まだ??」
総司はあまりいいたくなさそうに下を向いていた
……まぁいいか、
そう思って鍛冶場に入った