夜闇に咲く
「こんにちはー、」




店主を呼ぶ





奥から低い声が聞こえてきてのれんがあがる




「客か」





出てきたのは手拭いを肩にかけたお爺さんだった





「きょうは、刀を作ってもらいたくて」


「そうか、わかった」



お爺さんは軽く返事をしたあと一旦足を止めて総司の方に向き直った





「おまえさんはいいのか?」


「まだ、材料が見つからなくて」




総司がそう答えるとお爺さんはクククと笑っていった


「見つかっても恨めしいだけだがな、まあ、もし見つけたら……安全に採るんじゃぞ」


「ん?なんのはな」
「……さて、作るか」


お爺さんは話を切るようにして奥へ行こうとする


「あ、待ってください!この短刀で作り直してほしいんです!」



懐から短刀を取り出してお爺さんに渡す




受け取って刀身を見たお爺さんは目を見開いていた



「お、お前、こ、れ」




「お爺さん……??」


心配になって声をかける
「……これを玉鋼に直して作り直しても足りない。新しい鉄を使うが、いいか??」
「あ、あ、もちろんです!!」









後日受け取りということになった







お爺さんと総司のやり取りは気になったが、楽しみだ、どんな刀になって帰ってくるんだろう




















「ふぅ、今日はバレずにこれたな」


あの後帰って夜になるまで待ってたんだ



龍馬に合うために
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