世界の終わりに
「なんと呼べばよろしいですか?」
ー僕のこと?
「そうです。」
ー好きに呼んでいいよ。
私は少し考えて答えた。
「……パパ」
ー…………。君ほど大きな子どもを持った覚えはないよ。
どうやら、お気に召さなかったようだ。
この男は気難しい。仕方がない。
「教授」
男は納得したようにうんと言った。
この男の名は教授だ。
「私は誰ですか?」
ー君はユーリだ。僕はそう呼ぶ。
「ユーリですね。わかりました。私は何をすればよいのですか?」
教授はしばらく黙ったがコーヒーを一気
に飲み干すと、
それが何かの合図かのように重い口を開いた。