世界の終わりに
ー向こうの部屋に行こう。暖炉がある。暖かいよ。
男が部屋の出入り口に向かった。
私は無言で頷くと、男は安心したかのように、うんと言って扉を開けた。
部屋の中は本や工具、油や薬品が入った瓶が転がっている。
裸足の私は、せっかく男が作ってくれた足の皮を傷つけないように慎重に歩いた。
ーごめんね、大丈夫?
「大丈夫です。でも、部屋の片付けは必要ですね」
ー今度、君が片付けてくれるかな?僕は苦手なんだ。
彼が落ちていた分厚い本を本棚に戻しながら、そう言った。
本は色とりどりの付箋と読み込んだ跡が残っていた。
これは勘だが、あれが私の設計図だ。