愛してるなんて言わないで
夢の中の翔太さんは
必死のように思えた。
「離婚の理由」とか
「知ろうとしてなかった」とか
翔太さんの後悔を
リアルに聞かされた。
夢の中なのに眠たくて
翔太さんの必死な言葉が全然頭に入らなかった。
夢の中でさえも
翔太さんらしい翔太さんを
愛しいと感じてしまうのは
やっぱり私の心に彼がいるからなんだろう…。
必死なのに、心地良いほど優しい声色。
玲二と翔太さんは180度違う人間だけど…
この物腰の柔らかな声色だけは
なんとなく似ている。
それが可笑しくて
くすくす笑うと、翔太さんはキョトンとした顔をした。
「結花さん?」
似ているようでどこか違って聞こえるこの声をもっと聞きたいと思ってしまうのは
私が翔太さんに恋をしているからなんだろうね?