愛してるなんて言わないで
あの門をくぐってしまえば…
さよならだ。
それがこんなに悲しく感じるのは…
颯太があんまりにも翔太さんに懐いているからだと思いたかった。
真っ直ぐに出口へ歩いていると
「あ、お店っ‼」とお土産品を売ってるプレハブの小屋を指さす颯太。
「おっ、なんか欲しい物があるならおじさんが買ってやる」
「えっ⁈それは…」
「いいから思い出に何か買わせてよ」
駆け足で颯太とお土産やさんに入って行くから、私は少し…時間が延びた事に安心感を覚えてしまった。
「これは颯太が喜んでるからそんな気持ちになるのよ…」
もう一度、自分に言い聞かせるように
今度はちゃんと、言葉に変えてつぶやいた。