愛してるなんて言わないで
「ここで…お別れなのかな?」
私が口を開くよりも先に、少し気まずそうに口を開いた翔太さん。
「あ…今日は本当にありがとうございました…。
颯太にステキな思い出を作ってくれて…感謝でいっぱいです…」
頭を下げた私を見て「えっ⁉」と驚く颯太。
「ここでバイバイだよ?」そう告げると、突然、うわぁーっっ‼と泣き出したから驚いた。
「ちょっ…颯太、泣かないでっ⁉今日は動物園だけの約束なのっ‼」
慌てて言い聞かせようとすると
しゃがんで、颯太に視線を合わせた翔太さん。
「なに?そんなにおじさんのこと、気に入ってくれたの?」
「まだ一緒にいるーっっ!!」と泣き叫ぶ颯太を、慌てて抱き上げた。
「わがままで…っ、すいません。
わがままばかりだめよ…」
抱っこしてなんとか、あやそうとしていると
「俺は今日一日予定が空いてるんだよね…。」と翔太さん。
その言葉にさっきまで泣いてた颯太が泣き止む。
颯太ずるすぎるっ‼