愛してるなんて言わないで
社長の名前くらいは聞いたことがあったかもしれなかった。
けれど、社長の顔までは正直な知らなかった。
私の勤め先は数ある支社の1つで、本社は同じ都内にあっても、面接の時に一度足を運んだだけで…
社長直々に面接をしたわけじゃないし…。
入社時にたくさんもらった書類や会社の規定集なんかをみ 見れば、社長の名前はのってるかもしれないけれどっ…‼
あまりにも驚きすぎて、涙が止まった。
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「まず、機嫌の悪い理由を教えてよ」
何かを察したようにその日の夜のうちに彼は私の家を訪れた。
病み上がりの颯太は彼に甘えて、彼に抱かさったまま寝ている。という妙な光景で話をしていた。
「機嫌が…悪いわけではないの…。
ただ、本当に驚いて…」
「それは、俺も驚いた。まさか結花さんが俺の会社に勤めてるなんて予想もしてなかったというか…
妹の依子からもそんな話し…聞いてなかったし。」