愛してるなんて言わないで
「結花さんのだした結論には納得いかない。
おれが結花さんの務める会社の社長だとどうして2人を傷つけることになるわけ?
…結花さんのだした結論に、俺の意思は少しも組み込まれてない。
颯太だって、俺を気に入ってくれてるように見えるけど…?」
「それは…社長が子供の扱いが上手なだけです…」
「何で急に社長呼びっ⁉
やめてよ?
だって俺は…結花さんを…」
「愛してるなんて言わないで…?」
私の言葉に
一瞬、口を噤んだ彼だったけど。
伏せ目がちに呟いた。
「好きになるのを止める方法を教えてくれるなら諦める。」
「えっ…?」
正直、そんな事を言われて戸惑った。
好きになるのを止める方法なんて…
私が知りたいくらいだ。
好きでも…些細な事をきっかけに、嫌いになれることがあっても。
好きな気持ちを止めようと思ってやめれるなら…
そんな風に自由に好きになったり嫌いになれるなら…
私はバツイチなんて経歴を持たなかっただろう…。