愛してるなんて言わないで
「今日も、暇なら誘ってやってって、朝方に電話かかってきてさ…。
自分で誘えばいーじゃんって言ったら昼からちょっと付き合いがあるから誘えない。って
凹みまくってたけど…
なんかあった?」
そう聞かれて
昨日のやりとりが頭に浮かんだけど、首を横に振った。
「何も…知らないな。」
「そっか。なら、いいけど…。
もしかしたら、お兄ちゃんからしつこく誘われたりして、結花に迷惑かけてないかな?とも心配してたんだよね。」
「迷惑だなんて…
助かってるけど…」
「そう?なら、良かった。
お兄ちゃん、結花に惚れてるみたいだしね」
依子の口からそんな言葉が飛び出したから、驚いて
思わず口を開けてアホ丸出しの顔で友達の顔を見つめてしまった。
「まさかっ⁈翔太さんが私を好きだなんて…」
友達だけど、翔太さんの妹である依子にどこまで知られていて、どこまで話していいのか分からない私は、戸惑いながら答えた。
「隠さなくてもいーよ。」と、ニヤつく依子。
「隠すって…そんな」
「だって、お兄ちゃんが結花を好きなのは、お兄ちゃんから直接聞いた、私はちゃんと知ってるもん!
結花に何度もフられてることもね?」
ニヤつきながらウィンクする依子をマジマジと見つめる。
兄妹で仲良すぎでしょ…。