愛してるなんて言わないで



******************



--社長へ。--
今日、依子に誘われて颯太を遊びに連れて行きました。

颯太はとても喜んでいました。

素敵な遊び場の情報を提供して下さってありがとうございます。


--結花--





関わりたくないと言いながら、こんなふうに自分から翔太さんにメールを送るのは…

とても最低だと思う。



翔太さんが私に対してけじめをつけれないのは、私のこうした態度のせいなのかもしれないと…思う。



けれど

嬉しい事があると


悲しいことがあると


1番に翔太さんの顔が浮かんでしまう。



ちゃんとした相手と巡りあって幸せになって欲しいと願いながら…


いつかの未来に

颯太と

私と

彼と笑いあう未来を勝手に思い描いては…


諦めている。


そんな自分勝手な思いをちゃんと断ち切れなくて


迷わせてるのは私で…



諦めて欲しいと思いながら

彼の気持ちをどこかで引き止めている。





好きなのに…

好きだから…

好きだけど…



そんな気持ちが

胸を締め付ける。







< 65 / 142 >

この作品をシェア

pagetop