愛してるなんて言わないで




頑張ってる私を誰か1人でも…



認めてくれた…?






颯太の泣き声を聞きながら


湯川社長の顔が一瞬


頭の片隅に浮かんで消えた。







「思い出しちゃだめ…」


自分に言い聞かせるように呟いた。








結局


母親になった私を唯一

求めて肯定してくれるのは


息子の颯太だけだった。




親になって

沢山のものを失って

たった1つの宝物だけ

私の人生に残った。




私の生涯はこの宝物のためだけにある。



そう

決めたんだ。



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