愛してるなんて言わないで
傷つくことも

傷つけることも

避けて通れない道なら…


その傷を颯太と2人で分け合って生きていきたい。



2人きりの家族だけど


2人きりなら尚、大切に育んでいけるはずだと…思いたい。



私と颯太の未来がいつか…


明るくあって欲しいと…


ママの子供として産まれてこれて良かったと…


言って貰えるような


明るい未来に向かって生きていきたい…。









******************



「最近、おじちゃん来ないねー?」

「翔太さん?忙しいみたいだよ?」




あの日以来、翔太さんとは顔も合わせていないし、連絡も取り合っていない。


だけど、颯太に正直に話す必要もないので、そんな風に伝えては逃げている。




「ねえ、ママ、どこか連れてって?」

「何処に行きたい?」

「何処でもいいから!」


クッションをバフバフ叩きながら


折角の休日なのにも関わらず颯太は朝からご機嫌斜めだ。



「前におばちゃん達に買って貰った車の玩具で遊ぶ?」

「やだっ‼」

「デパートでも行く?」

「つまらないからやだっ‼」

「キッズパークでもいく?」

「友達と一緒じゃないからやだっ‼」


朝からずっとこんな調子だ。



その原因はきっと…


最近私に翔太さん話題を避けられてるからに違いない…。


私だって…


翔太さんに会いたい。

ふとした瞬間に

今何をしてるのかな?

とか…


ぼんやりと…


会いたいな。


なんて考えている情けない自分がいる。




こうして合わなくなって

1ヶ月以上がすぎても…

翔太さんを好きな気持ちに変化はないまま…


本当に

好きな気持ちを止める方法があるなら

教えて貰いたい。





そして



この瞬間も

彼を想ってる…。





「結花さん」って私を呼ぶ声を…


探してる。


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