愛してるなんて言わないで

「結花は颯太の母親だろ⁈

なら、気をしっかり持てよ。

颯太はこの時間だから入院になると、思うけど、腕の良いやつがちゃんと診てくれてる。


だから安心しろ。」


「うん。…うん。」

頷くことしかできなかった。




「結花ちゃん、1人なんだろ?気まずくなければ、玲二側にいてやれよ。」


「すまないな…」


2人のやりとりを

黙って聞いていた…。


そう。


私は1人なんだ。


こんな時に、心を支えてくれる相手なんかいない…。



2人並んで座ったのはどれくらいぶりだろうか…。



「まさか、颯太が俺の病院に運ばれてくることになるなんて想像もしてなかった。」


「私も…

玲二の顔見るまでパニックになってたから全然気づかなかった。」


自分から選んで来ない限り、こんな場所で会う日がやってくるなんて思いもしなかった。


「颯太ね、夕飯に…いくらと帆立のお寿司を食べてたけど…

どちらも初めて食べたものじゃないはずなのに…」


「まあ…颯太はもともと消化器官の弱い子だからな。

もとの体調にもよるさ。

詳しいことは担当医から説明あるから。あんまり気を落とすなよ。」


「うん…。

ありがとう。


でも、変な感じだね?

喧嘩別れした私達がこんな風にして揃って再会するなんて…」


頭の中を整理しながら話していると

ふとプレゼントの事を思い出した。

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