もしもサンタがいるのなら
あたし達、いつか結婚出来るんだろうか。


一瞬期待してしまったせいで、普段密かに願っている一番の想いを、意識せざるを得ない。


喬司と結婚したい。


今の生活と何も変わらないのに、と笑って話していたのが大分昔。

そうだよね、なんて笑って話を合わせて、それ以来そんな話は出来なくて。


想いが強くなればなるほど、口にすることは出来なくて、あたしは静かに諦めることを覚えて。
だけど、その願いが消えることはないから……。


こうやって、いかに自分が期待しているかを思い知らされると、辛い。


平気なふりをして笑っている普段の自分が、とても惨めに感じる。

そして、今も。


うんとうんと惨め。
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