もしもサンタがいるのなら
一緒に住まなければ、こんなことにならなかったのか?

いや、きっと、同棲のせいじゃない。


なーんて。泣いている暇はない。
ちらりと時計を見る。もう7時。家を出ないと。

今日は休日出勤の振り替えで休みだという喬司を起こさないよう、静かに玄関に向かう。


サンタクロースなんて、いない。

目に見えない幸せを振り撒いてくれる、という話も聞いたことがあるけれど、うちにはその幸せは届かなかった模様。


こんな気持ちのクリスマス、だったら一人でケーキでも食べた方がまし。

二人でいる方が一人でいるより辛いだなんて、物語だけの台詞だと思ってた。


あれって、本当なんだな。
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