もしもサンタがいるのなら
コートを着込んで、ショートブーツを履いて玄関のドアを開ける。


「……?」


ドアの動きに不自然さを感じつつ、一歩外へ出る。
空気が痛いくらい冷たくて、身体をちぢこめながら鍵をかけようと振り返る……と。


ドアノブに毛糸の靴下がかかっている。かわいくて暖かそうなそれを、手に取る。


中を覗くと……なにもない?


部屋の中は小さなツリーを出したり、それなりにクリスマス感を出していたけど、こんな飾りはなかったはず。


何となく手に取り、逆さまにすると、


カツーーーーン


足元で音がする。条件反射のようにしゃがみこんで拾い上げると、それはキラキラと輝く石のついた、

「ゆび……わ」
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