もしもサンタがいるのなら
「あー、慣れないことするとこれだから……わかった、どうにかしとく!いってらっしゃい!」


急に、せっかくのバラの花束を邪魔者扱いする喬司に吹き出しつつ、送り出される。


通いなれた駅までの道が、急に色付いて見える、そんな、単純な自分に驚く。


サンタクロースって、いるのかも。


足取り軽く、駅へと向かう。美味しいワインを買って帰ろう。
昨日の分も、取り戻そう。




昨日の夜は、初のサプライズを相談した先輩による『あえての焦らし』による飲み会だったこと。
一度落とすのが効果的だから、とお饅頭を用意しに昼休みに先輩と買いに行ったこと。
でもそしたらそのお饅頭が普通に美味しくて、沢山買って帰った社内で好評だったということ。
そこで、『和菓子は5の倍数で買わないと気持ち悪い』という喬司の新たな性質を知ること。


それは全部、今夜あたしが、知る話。




‥…Merry X'mas‥…






おしまい
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