もしもサンタがいるのなら
とにかく、なんであたしがクリスマスの朝にこんなに落ちているかというと。


今朝目が覚めたら、枕元に何やら包みがあった。
そこまでは、本当に嬉しかった。隣でぐーぐー寝ている喬司に抱きついて起こしてしまおうかと思うほどに。


昨日の夜、つまりクリスマスイブに、二人でちょっと美味しいご飯を食べようと言っていたのに、付き合いで飲みに行くことになったなんて夕方急に連絡してきた喬司と電話とラインで大喧嘩したことを水に流そう、と思うほどに。


ひねた子供の頃のあたしには、それなりにサンタクロースが来てくれたけど……かわいげのない29歳のあたしに、サンタクロースが来るなんて。
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