もしもサンタがいるのなら
そして、その手のひらサイズの包みを持ったまま、そっとキッチンまで来て、改めて眺めてみて。


『Merry X'mas』
と印字された、シンプルなカードが添えられていて、それも嬉しかった。

イベントに元々無頓着な喬司が、同居をしたと同時に全くそういったことを気にしないようになり、それでも、生活するってそういうもんだ、と思って諦めていたから。

誕生日もクリスマスも記念日も、サプライズのサの字もなくて。


それなのに、ここへ来て、まさかのサンタ演出。

朝起きたら枕元にプレゼントがあるなんて。

それだけでもう、子供のように飛び上がってしまいそうで。
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