もしもサンタがいるのなら
カサカサ……カサ


「……へ?」


思わず、声が出てしまった。
だって、そこにあったものは……

「お、まんじゅう……」


シンプルなお饅頭が1つ。しかも、ご丁寧にプラスチックのケースに入っているから紛らわしい形で。


真っ白になった頭に、ストーリーが浮かぶ。

昨日の飲み会は、どうやら職場の付き合いだったらしいから……上司からもらったんだ。


で、酔っぱらって真夜中に帰ってきてあたしにお土産気分で枕元に置いた、もしくはへろへろになっていて偶然あたしの辺りに落とした。

あぁ、きっとそうだ。


あたしってば、何を期待していたんだろう。
今まで、ただの1度もサプライズ的なことをしてこなかった喬司が、ここへ来てそんなことするはずもないのに。
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