あいにいくよ

 「…じゃぁ、なんで電話…泣いてた」

 「喧嘩しちゃって、悲しくなったの」

 「目の傷は」

 「イライラしちゃって、傷つけちゃった」

 彼女は平然と言った。

 「ちあり、一緒にいようって言ってくれたよね。ここじゃないどこかに。学校もやめてずっと二人で生きていこうって」

 「…騙してたのか、俺が苦しむ姿は滑稽だったか!?」

 「そんなはずないよ。だってちありは私を心配してくれる。気にしていつも見ていてくれる。私だけを気にしてくれる。その為なら他の人間なんてどうでもいいじゃない?そうでしょう?ね、もう親にも知ってもらえたことだし、二人で生きて行こう?どこにいく?私はどこでもいいよ」

 「待てよ!なんで、そんな」

 まにまは平然と言うのだ

 「ちありが好きなの。一緒にいたい。今すぐ。ずっと一緒に。何にも縛られず永遠に一緒にいたい。だから親も学校も全てが邪魔なの。友達も先生も部活も進路も何もかもがいらない。そうでしょう?だから一緒に逃げてくれたんでしょ?全てを捨てて私を選んでくれた、ちありが私を!えへへ、いっしょ、ずっと永遠にいっしょ」

 

 

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